日本の世界遺産 / 屋久島

【登録物件名】 Yakushima

【遺産種別】 自然遺産

【登録年月日】 1993年12月(第17回世界遺産委員会カルタヘナ会議)

【所在地】 鹿児島県熊毛郡屋久島町

屋久島
屋久島
屋久島
屋久島

登録物件概要

屋久島(やくしま)は、九州大隅半島の南南西約60kmの海上に位置する島。鹿児島県熊毛郡屋久島町に属し、近隣の種子島や口永良部島などと共に大隅諸島を形成する。

面積504.88ku。円形に近い五角形をしている。鹿児島県の島としては奄美大島に次いで2番目、日本全国でも5番目の面積である(北海道・本州・四国・九州を除く)。
豊かで美しい自然が残されており、島の中央部の宮之浦岳を含む屋久杉自生林や西部林道付近など、島の面積の約21%にあたる107.47kuがユネスコの世界自然遺産に登録されている。

島は周囲約132km。火山島ではなく、大部分は花崗岩からなっている。
中央部には日本百名山の一つで九州地方最高峰の宮之浦岳 (1.936m) がそびえるほか、他にも数多くの1.000m級の山々を有し、「洋上のアルプス」の呼び名がある。
また、海からの湿った風がこれらの山にぶつかり、「屋久島は月のうち、三十五日は雨」と表現されるほど大量の降雨をもたらすため、年間降水量は平地で約4.000mm、山地では8.000mmから10.000mmにも達する。
また、亜熱帯地域に位置する島でありながら、2.000m近い山々があるため亜熱帯から亜寒帯に及ぶ多様な植物相が確認されている。
島の中心部には、日本最南端の高層湿原である花之江河(はなのえごう)、小花之江河(こはなのえごう)が存在する。
山頂付近の年間平均気温は約5℃(札幌市よりも低い)であるために積雪が観測されており、日本国内において積雪が観測される最南端となっている。

こうした条件により、豊富な流水や湧水に恵まれ、1985年、宮之浦岳流水は名水百選に選ばれている。また、2007年、日本の地質百選にも選定された。
野生哺乳類としては、ヤクザルやヤクシカ、コウベモグラ、ジネズミ、ヒメネズミ、コイタチ、コウモリ数種しか生息していない。1990年代から外来種のタヌキが観察されるようになり、定着したものと思われる。薩摩藩政時代にはジュゴンが[4]、昭和初期にはカワウソ[5]が生息していたことが報告されているが、標本等は残されていない。
縄文杉などの屋久杉が自生するほか、日本最北端のガジュマル林がある。
島北部の永田浜は世界有数のアカウミガメの産卵地であり、ラムサール条約登録湿地となっている。

屋久杉について
スギ(杉、Cryptomeria japonica)の屋久島に産する変種をヤクスギという。屋久島の強風、多雨、地質、シカの生息などの自然環境に対応して、抗菌性を持つ樹脂を多量に分泌し極めて長寿になる、幼樹の葉が鋭いなど、特徴的な形質を有する。
ヤクスギ、モミ、ツガを主体とする温帯針葉樹林は屋久島の標高600m以上に分布する。600〜1200 mは低地を占める照葉樹林との移行帯であり、両方の要素が混交する。
抗菌性が強く耐久性があることが重視され、中世以降、建築材や造船材として開発された。豊臣秀吉による京都方広寺大仏殿建立の際、石田三成が島津義久に屋久島の木材資源調査を指示しており、実際に木材が薩南海域から大坂へ運ばれた形跡がある。
17世紀に薩摩藩によるヤクスギの伐採が本格化し、明治になるまでにヤクスギの良木のほとんどが伐採された。
樹齢1000年程度の巨木は年輪がゆがみ、山地での製材が不可能であったため放置され、現在も生きているものが多い。
伐採跡地のにはスギの稚樹が成長し、以来300〜400年を経て美しい二次林を形成している。三次林となっている林分も広い。現在は1000年程度の巨木や変形木をヤクスギ(屋久杉)とよび、二次林・三次林をつくる若いスギをコスギ(小杉)と呼ぶ。

明治以降、屋久島の山林の大半は国有林に編入され、大正から昭和にかけて二次林・三次林の伐採が進んだ。1000年以上の「屋久杉」は切り残されることが多かったが、樹齢400年以下の「小杉」は、屋久杉ではないとされ、1955年(昭30)チェーンソーが導入されるとともに、大々的に伐採が進んだ。

現在、原生自然環境保全地域に含まれる小楊枝川流域、国立公園第一種特別地域に含まれる永田川流域、宮之浦川上流域、東部の安房川支流荒川左岸(ヤクスギランド)などがヤクスギの主要な群落として僅かに残されている。

屋久島最大の「縄文杉」はかつてその巨大さから推定樹齢6000年以上であるとされ、環境省(当時は環境庁)の環境週間ポスターで「7200歳です」と紹介されたことで、全国的に有名になった。

現在では放射性炭素年代測定法で推定樹齢約2000年以上であることが確認されている。
またその際内部組織の年代が入り乱れ、同心円状の年輪を形成していなかったことから合体木であるという説があったが、これに対して数本の大枝から葉サンプルリングして遺伝子分析解析を行った結果、一本の木であることが明らかになった。

なお現在までに確認された最古の木は大王杉で、やはり放射性炭素年代測定法で樹齢3000年以上とされる。

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著者:Yosemite  掲載サイト
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